1-1 概要
IPv6とは、インターネットで広く普及してきたプロトコルである「TCP/IP」のホストアドレスを表わすためのフィールドが128bitに拡張されたIPアドレスです。
現在インターネットで使われているIPv4は、ホストアドレスを表わすためのフィールドが32bitしかないため、あと数年すれば利用できるアドレス空間が枯渇してしまう見込みとなっています。
そこで、アドレス空間の拡大を図り、利用できるホストを莫大な数にまで拡張させたのがIPv6です。
さらにこれまでのインターネット運用実績により、従来のTCP/IPで問題となっていた部分を修正したり、新たな機能を追加して仕様化されようとしています。
- このアドレスの中にネットワークカードの物理アドレス(MACアドレス)やルーティング情報も自動的に設定してしまおうという“ネットワーク自動設定”。
- パケットの暗号化や送信者の認証により安全な通信を実現させる“セキュリティ”技術の実装。
- サービスに応じた確実な通信の保証を行う“優先度を付けたデータの配信”の機能。
など、IPv6では従来のプロトコル体系にはない様々な技術を標準で実装しているという特徴をもっています。
なお、「v6」とは、バージョン6(現在はバージョン4))の意味です。
1-2 IPアドレス体系
- 広大なアドレスフィールド
IPv6はIPv4の4倍の128bitまでアドレスフィールドが拡張されています。
- IPv6アドレスの表記
IPv4アドレス (例) 202.239.113.26
32bitを8bitずつ「.」(ピリオド)で4ブロックに区切り、8ビットの数値を10進数で表記しています。
IPv6アドレス (例) 2001:02C0:0001:0100:0000:0000:0000:0053
128bitを16bitずつ「:」(コロン)で8ブロックに区切り、16ビットの数値を16進数で表記しています。
但し、アドレスは、以下のように省略できます。
2001:02C0:0001:0100:0000:0000:0000:0053
↓ |
各16進数4桁部分ごとに、先頭の「0」を省略できます。
「02C0」は「2C0」、「0001」は「1」、「0100」は「100」、「0000」は「0」。 |
2001:2C0:1:100:0:0:0:53
↓ |
16進数4桁が「0」の部分が続く場合、「::」と省略できます。
但し、「::」はアドレス全体で一度しか使えません。 |
2001:2C0:1:100::53
- IPv6に関するFAQ(JPNIC WWW)
http://www.nic.ad.jp/ja/ipv6/faq.html
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